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浄水方法
水道の水は、取水場で川などから取り入れられた水(原水)が浄水場へ送られ、水質基準に適合した水(浄水)となったものです。つまり、浄水場は原水の濁質や有害物質を取り除き安全な水にする、浄水処理を行う場所であり、その意味で浄水場は水道水の工場といえます。
浄水処理の方式にはいくつかの種類がありますが、広島市の水道は、牛田・緑井・高陽の各浄水場では急速ろ過方式、府中浄水場では緩速ろ過方式を採用しています。
急速ろ過方式
まず原水の濁質をすばやく取り除くために、凝集剤を注入することによって濁質を大きなかたまり(フロック)にして沈でんさせます。この処理の後、上澄み水をろ過池で粗めの砂層を通すことにより、濁質をきれいに取り除きます。
この方式は、原水の濁りが比較的高い場合でも有効で、また少ない敷地面積で多量の水を処理することができます。
急速ろ過方式(高陽取水場・浄水場)
緩速ろ過方式
まず取り入れた原水の流れを緩やかにして、濁質を自然に沈でんさせます。この後、ろ過池で比較的細かな砂層を通すことによりろ過を行いますが、実は砂層表面に存在する微生物の分解作用によって水を浄化しています。
この方式は、原水の濁りが常に少ない場合に限られ、またろ過速度も急速ろ過方式に比べて遅いですが、自然の分解作用を用いて水を浄化する、優れた方式です。