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水質基準用語解説

ページID:0001142 更新日:2024年3月28日更新 印刷ページ表示

水質基準項目(51項目) 用語解説

基準値

水質基準項目のうち、人の健康を保護するための項目の基準値は、人間が水道水を一生涯飲み続けても病気やがんにならない濃度が設定されています。また、水道水を使う上で支障とならないための項目の基準値は、水道水に色を着けたり、泡を生じさせたり、味を悪くしたりしない濃度が設定されています。

一般細菌

一般細菌は、水や土中に生育している細菌のことで、ほとんどが無害な細菌です。標準寒天培地を用いて36℃で24時間培養したときに、培地に形成された集落数を計測します。清浄な水には少なく、汚濁された水には多い傾向があるため、水の汚染状況や飲料水の安全性を判定するための指標となります。

大腸菌

大腸菌は、ヒトや温血動物の腸管内に常在する微生物で、糞便(ふんべん)とともに体外へ排出されます。水道水中に大腸菌が検出された場合、糞便に由来する病原微生物に汚染されている可能性があるため、水質基準では「検出しないこと」とされています。また、嫌気性芽胞菌とともに、糞便由来で感染するクリプトスポリジウム等による水道原水の汚染のおそれを判断する指標菌とされています。

カドミウム及びその化合物

カドミウムは、富山県の神通川でイタイイタイ病の原因となった物質として知られています。肝臓、腎臓に蓄積し、急性中毒として嘔吐(おうと)、めまい、頭痛など、慢性中毒として異常疲労、貧血、骨軟化症などの症状があらわれます。また、メッキやニッカド電池(ニッカドはニッケル・カドミウムの略)の原料等として使われているため、これらの工場排水や亜鉛の鉱山排水が汚染源として考えられます。基準値は、毒性を考慮して設定されています。

水銀及びその化合物

水銀は、体温計や温度計に使われており、また、水俣(みなまた)病の原因となった物質としても知られています。体温計や温度計に使われる水銀は、金属水銀で人体に入ってもほとんどが体外に排出されます。しかし、水俣病の原因とされる有機物と反応した水銀は、蓄積性が高く体外に排出されにくいため、低濃度でも中毒症状がでます。症状としては知覚障害、言語障害等があらわれます。水銀は、一般にも広く使われており、廃棄物処理場や水銀を使用する工場排水が汚染源として考えられます。基準値は、毒性を考慮して設定されています。

セレン及びその化合物

セレンは、半導体の原料として広く使われており、体内に入ると低濃度でも急性中毒として皮膚障害、嘔吐、全身けいれんなど、慢性中毒として皮膚障害、胃腸障害、貧血などの症状があらわれます。汚染源は、鉱山やセレン製品製造所が考えられます。基準値は、毒性を考慮して設定されています。

鉛及びその化合物

鉛は、バッテリーや合金、塗料など多種にわたって使用されています。曲げたり、切ったりする加工が容易なことから、かつては鉛製の水道管が使用されたこともありましたが、現在は、鉄製や樹脂製になっており、鉛は使用されていません。急性中毒として嘔吐、腹痛、下痢、血圧降下など、慢性中毒として疲労、けいれん、便秘などの症状があらわれます。また、乳幼児の血中鉛濃度が増すと知能指数の低下に関連するとの報告もあります。基準値は、毒性を考慮して設定されています。

ヒ素及びその化合物

ヒ素は、一般には、半導体材料やねずみを駆除する薬剤などとして利用されています。地質により、地下水で検出されることが多い物質です。急性中毒として嘔吐、下痢、腹痛など、慢性中毒として皮膚の角化症、黒皮症、末梢(まっしょう)神経炎などの症状があらわれます。また、発がん性物質としても知られています。工場排水や温泉、鉱山排水などが汚染源として考えられます。基準値は、毒性を考慮して設定されています。

六価クロム化合物

クロムは、メッキやニクロム線、ステンレス等の材料として多く使われています。金属のクロムは無害なのですが、塩素がある水道水中でクロムは六価クロムとなり、強い毒性を持ちます。急性中毒として腸カタル、嘔吐、下痢など、慢性中毒として肝炎などの症状があらわれます。汚染源は、メッキなどクロム使用工場からの排水が考えられます。基準値は、毒性を考慮して設定されています。

亜硝酸態窒素

亜硝酸態窒素は、血液中のヘモグロビンと反応し酸素を運べなくする作用があります。基準値は、毒性を考慮して設定されています。

シアン化物イオン及び塩化シアン

シアン化物イオンは、青酸とも呼ばれ、毒物として広く知られています。メッキや金銀の精錬、写真工業に使用されています。塩化シアンはシアン化物イオンと塩素が反応してできる物質です。シアンの致死量はシアン化カリウム(青酸カリ)で0.15~0.3グラムで、血液中のヘモグロビンが酸素を運ぶ作用を阻害し、窒息により死に至ります。汚染源は、メッキ工場の排水などが考えられます。また、水源の水にシアンが含まれていなくても、アミノ酸やアンモニアの存在下では、水中の有機物などからも塩素処理によってシアンが生成することがあります。基準値は、毒性を考慮して設定されています。

硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素

硝酸態窒素は、人体に影響を与えませんが、亜硝酸態窒素は血液中のヘモグロビンと反応し、酸素を運べなくするため多量に服用すると窒息状態になります。生後6ヶ月未満の乳幼児の場合、硝酸態窒素は体内では亜硝酸態窒素へと変化するため、合計した値で評価します。大人の場合、硝酸態窒素が亜硝酸態窒素へと変化することはほとんどありません。汚染源は、肥料、生活排水、工場排水、腐敗した動植物などが考えられます。基準値は、乳幼児への毒性を考慮して設定されています。

フッ素及びその化合物

フッ素を摂取すれば、虫歯予防になるとよく言われ、歯磨き粉にも配合されています。しかし、適量を超えると歯の石灰化不全による斑状歯(はんじょうし)*となります。さらに多量に摂取すると骨硬化症や甲状腺障害などの症状があらわれます。フッ素は土中に多く存在し、地下水では比較的多く含まれています。汚染源としてはフッ素樹脂等の工場排水、温泉排水が考えられます。基準値は、斑状歯にならない量を考慮して設定されています。
*歯の表面にしま模様の白濁ができ、症状が進むと、歯が褐色に着色したり、欠けることもある病気です。

ホウ素及びその化合物

ホウ素は、ゴキブリを駆除するホウ酸団子の有効成分として知られています。中毒症状として重くなると血圧低下、ショック症状や呼吸停止などの症状があらわれます。金属の表面処理等に使われており、これらの工場からの排水、火山地帯の地下水や温泉が汚染源として考えられます。基準値は、毒性を考慮して設定されています。

四塩化炭素

四塩化炭素は、フロンガスの原料やスプレー等の噴射剤、金属の洗浄剤として使われており、石油などから人工的に作られた有機化学物質で、発がん性が疑われている物質です。工場排水の地下浸透により、地下水を汚染することがあります。基準値は、発がん性を考慮して設定されています。

1,4-ジオキサン

1,4-ジオキサンは、非イオン界面活性剤を製造する過程で不純物として発生するため、洗剤などの製品に不純物として含有しています。発がん性が疑われている物質であるため、基準値は、発がん性を考慮して設定されています。

シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン

シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレンは、プラスチックの原料として使われている有機化学物質です。昭和54年頃よりドライクリーニング洗浄剤、金属の洗浄剤として多く使われるトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタンが、使用している工場や店から漏れて地下水に混入する事例が多発しました。シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレンはこれらの物質が分解した物質の一つです。シス-1,2-ジクロロエチレンは地下水での検出事例がありますが、河川などでは、すぐ蒸発してしまうため、ほとんど検出されていません。トランス-1,2-ジクロロエチレンは、全国での検出事例が少ない物質です。両物質ともに、比較的毒性が高く、高濃度では麻酔作用があります。基準値は、毒性を考慮して設定されています。

ジクロロメタン

ジクロロメタンは、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタンやフロンの代替品として使われている有機化学物質です。地下水で検出事例がありますが、河川などではすぐ蒸発してしまうため、ほとんど検出されていません。発がん性が疑われている物質であり、毒性も比較的高く、高濃度では麻酔作用があります。基準値は、発がん性を考慮して設定されています。

テトラクロロエチレン

テトラクロロエチレンは、ドライクリーニング洗浄剤、金属の洗浄剤、フロンの原料として使われている有機化学物質です。平成元年まで法令による規制がなかったため、テトラクロロエチレンを使っている工場やクリーニング店の敷地などから漏れたものが地下に浸透したものと考えられ、地下水での検出事例があります。しかし、河川などではすぐ蒸発してしまうため、ほとんど検出されていません。発がん性のある可能性が高い物質であり、毒性も比較的高く、頭痛や肝機能障害などの症状があらわれます。基準値は、発がん性を考慮して設定されています。

トリクロロエチレン

トリクロロエチレンは、ドライクリーニング洗浄剤、金属の洗浄剤として使われている有機化学物質です。平成元年まで法令による規制がなかったため、トリクロロエチレンを使っている工場やクリーニング店の敷地などから漏洩したものが地下に浸透したものと考えられ、地下水での検出事例があります。発がん性のある可能性が高い物質であり、毒性も比較的高く、嘔吐、頭痛などの症状があらわれます。基準値は、発がん性を考慮して設定されています。

ベンゼン

ベンゼンは、合成ゴムや合成繊維の原料として使われている有機化学物質です。ベンゼンを取り扱う工場から漏れたものが地下に浸透し、地下水を汚染することがあります。また、ガソリンの燃焼でも発生します。ベンゼンは、発がん性があるため、基準値は、発がん性を考慮して設定されています。

塩素酸

塩素酸は、消毒剤として水道水に添加している次亜塩素酸ナトリウムから生成する物質です。次亜塩素酸ナトリウムを長期間貯蔵すると、劣化により、塩素酸濃度の上昇が起こります。特に高温下での貯蔵は劣化が進みやすく、塩素酸濃度の上昇が顕著となるため、本市では、貯蔵温度に十分配慮をしています。基準値は、毒性を考慮して設定されています。

クロロ酢酸

クロロ酢酸は、トリハロメタンと同様、消毒用として入れる塩素と水に含まれる有機物が反応してできる物質です。毒性が強いとの報告があるため、基準値は、毒性を考慮して設定されています。

クロロホルム

クロロホルムは、トリハロメタンの一つです。クロロホルムは毒性が強く、中枢神経を抑制するため、過剰投与で死に至ることもあります。また、肝臓や腎臓の機能障害を引き起こします。発がん性が疑われている物質であるため、基準値は、発がん性を考慮して設定されています。

ジクロロ酢酸

ジクロロ酢酸は、トリハロメタンと同様、消毒用として入れる塩素と水に含まれる有機物が反応してできる物質です。発がん性が疑われている物質であるため、基準値は、発がん性を考慮して設定されています。

ジブロモクロロメタン

ジブロモクロロメタンは、トリハロメタンの一つで、消毒用として入れる塩素と水に含まれる有機物が反応してできる物質です。基準値は、発がん性を考慮して設定されています。

臭素酸

臭素酸は、消毒用として入れる塩素剤に含まれています。発がん性のある可能性が高い物質であるため、基準値は、発がん性を考慮して設定されています。

総トリハロメタン

総トリハロメタンは、4種類のトリハロメタン(クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルム)の量を合計したものです。基準値は、毒性及び発がん性を考慮して設定されています。

トリクロロ酢酸

トリクロロ酢酸は、トリハロメタンと同様、消毒用として入れる塩素と水に含まれる有機物が反応してできる物質です。医療用や除草剤、防腐剤に使用されています。基準値は、発がん性を考慮して設定されています。

ブロモジクロロメタン

ブロモジクロロメタンは、トリハロメタンの一つです。発がん性が疑われている物質であるため、基準値は、発がん性を考慮して設定されています。

ブロモホルム

ブロモホルムは、トリハロメタンの一つで、消毒用として入れる塩素と水に含まれる有機物が反応してできる物質です。基準値は、発がん性を考慮して設定されています。

ホルムアルデヒド

ホルムアルデヒドは、新築や改築直後の室内空気汚染により引き起こされるシックハウス症候群の原因物質として知られています。トリハロメタンと同様、消毒用として入れる塩素と水に含まれる有機物が反応してできる物質です。呼吸困難、めまい、嘔吐などの症状があらわれます。発がん性があるため、基準値は、発がん性を考慮して設定されています。

亜鉛及びその化合物

亜鉛は、人間にとって必須の元素で、体重70kグラムの男性で1.4~2.3グラム体内に保有しており、1日に13ミリグラム*程度を摂取しています。欠乏すると味覚障害や食欲減退などを起こします。水道水に多量に含まれると白く濁り、お茶の味を悪くすることがありますが、毒性はほとんどありません。基準値は、水道水が白色にならない量として設定されています。
*1ミリグラムは1,000分の1グラムのことです。

アルミニウム及びその化合物

アルミニウムが水道水に多量に含まれると、白く色が着きます。アルミニウムは急速ろ過に使われる薬品の主原料です。この薬品に含まれるアルミニウムは、浄水処理工程で濁り成分と一緒に除去され、水道水にはほとんど影響を与えません。基準値は、水道水が白色にならない量として設定されています。

鉄及びその化合物

鉄は、人間にとって必須の元素で、成人で約4.5グラムを体内に保有しており、1日必要摂取量は約10ミリグラム*です。水道水に多量に含まれると、味が悪くなったり、洗濯物にシミを付けたりします。水道水中の鉄は、水道管から溶け出したものがほとんどで、特に古い給水管には、鉄製で内面にコーティングを施していないものがあり、しばらく使わなかった後の水道水が赤茶色に濁ったりすることがあります。基準値は、水道水の味を悪くしない量及び洗濯物へシミを付けない量として設定されています。
*1ミリグラムは1,000分の1グラムのことです。

銅及びその化合物

銅は、人間にとって必須の元素で、1日必要摂取量は約10ミリグラム*です。水道水に多量に含まれると、青く色が着きます。銅は調理器具などに用いられており、人に対する毒性は高くありません。基準値は、水道水が青色にならない量に設定されています。
*1ミリグラムは1,000分の1グラムのことです。

ナトリウム及びその化合物

ナトリウムは、人間にとって必須の元素で、主に食塩(塩化ナトリウム)から摂取しています。食塩を過剰に摂取するとけいれん、筋硬直、肺浮腫などの症状があらわれます。水に溶けるとナトリウムイオンとなります。基準値は、塩辛さを感じない量として設定されています。

マンガン及びその化合物

マンガンは、人間にとって必須の元素で、成人で約200ミリグラム*を体内に保有しており、1日4ミリグラム程度を摂取しています。水道水中に多量に含まれると、黒く色が着きます。多量に長期間摂取すると慢性中毒として不眠、感情障害など、急性中毒として神経症状、全身けん怠感などの症状があらわれます。基準値は、水道水が黒色にならない量として設定されています。
*1ミリグラムは1,000分の1グラムのことです。

塩化物イオン

塩化物イオンは、食塩の成分で、消毒用に入れる塩素とは異なります(食塩(塩化ナトリウム)は塩化物イオンとナトリウムイオンで構成されています)。食塩は人間にとって必須なものですが、水道水に多量に含まれると塩辛さを与えます。基準値は、塩辛さを感じない量として設定されています。

カルシウム、マグネシウム等(硬度)

一般的に、水1リットル中に含まれる硬度が100ミリグラム*までのものを軟水、それ以上のものを硬水と呼びます。硬度が高いと石鹸(せっけん)の泡立ちが悪くなったり、下痢を起こしやすくなったりします。基準値は、石鹸の洗浄効果を低下させない量として設定されています。
*1ミリグラムは1,000分の1グラムのことです。

蒸発残留物

蒸発残留物は、水道水を蒸発させた後に残るミネラルなどの量のことで、カルシウムやマグネシウムなど水道水中に溶けているものが多いほど多くなります。基準値は、水道水の味を悪くしない量として設定されています。

陰イオン界面活性剤

陰イオン界面活性剤は、非イオン界面活性剤と同様に合成洗剤の主要な成分で、水道水にある程度含まれると、使用時に泡が発生するようになります。基準値は、泡が発生しない量として設定されています。

ジェオスミン

ジェオスミンは、カビ臭物質の一つです。基準値は、一般の人がカビ臭を感じない量として設定されています。

2-メチルイソボルネオール

2-メチルイソボルネオールは、カビ臭物質の一つです。基準値は、一般の人がカビ臭を感じない量として設定されています。

非イオン界面活性剤

非イオン界面活性剤は、陰イオン界面活性剤と同様に合成洗剤の主要な成分で、水道水にある程度含まれると、使用時に泡が発生するようになります。基準値は、泡が発生しない量として設定されています。

フェノール類

フェノール類は、消毒剤や防腐剤、合成樹脂原料として使われています。多量に摂取すると消化器系粘膜の炎症、嘔吐などの症状があらわれます。塩素と反応すると強い刺激臭がします。基準値は、塩素と反応してにおいが発生しない量として設定されています。

有機物(全有機炭素(TOC)の量)

全有機炭素(TOC:Total Organic Carbon)とは、水中の有機物の量を、有機化合物を構成する炭素の量で示したものです。基準値は水道水の味を悪くしない量として設定されています。基準値は、水道水の味を悪くしない量として設定されています。

pH値

pH値は、水の酸性、アルカリ性の度合いを数値化したもので、pH値7を中性とし、7より低いほど酸性が強く、高いほどアルカリ性が強いことを表しています。基準値は、水道水が弱酸性から弱アルカリ性である値として設定されています。

純粋な水は全く味がしませんが、不純物が入ることにより味がすることがあります。不純物が多量に入ると塩辛さや渋み等を感じます。基準値は、異常でないこと、と定められています。

臭気

臭気とは、水のにおいのことです。水道水は塩素を入れるため、塩素臭があります。カビ臭物質や油が混入すると水道水から塩素臭以外のにおいがします。塩素臭以外のにおいを異常なにおいとし、基準値は、異常でないこと、と定められています。

色度

色度は、色の度合いを数値化したもので、基準値は、肉眼でほとんど色を感じられない値として設定されています。

濁度

濁度は、濁りの度合いを数値化したもので、基準値は、肉眼でほとんど濁りを感じられない値として設定されています。

水質管理目標設定項目(27項目) 用語解説

目標値

毒性や発がん性のある項目の目標値の決め方は、基準値と同じく、人間が水道水を一生涯飲み続けても病気やがんにならない濃度が設定されています。毒性や発がん性のほとんどない項目は、おいしさの観点などから、より質の高い水道水を目標として、基準値より厳しい値が採用されています。

アンチモン及びその化合物

アンチモンは、半導体材料や鉛、スズなどとの合金として使われています。毒性は強く、急性中毒として嘔吐、下痢、皮膚炎など、慢性中毒として心臓、肝臓、腎臓障害などの症状があらわれます。アンチモン使用工場からの排水が汚染源として考えられます。目標値は、毒性を考慮して設定されています。

ウラン及びその化合物

ウランは、原子力発電所の核燃料として使われている放射性元素です。ごく微量ですが岩石や海水中にも広く分布しています。毒性が大変強く、腎臓に蓄積し腎臓障害の症状があらわれます。目標値は、毒性を考慮して設定されています。

ニッケル及びその化合物

ニッケルは、ステンレスやメッキの原料として使われています。大量に摂取するとめまい、嘔吐、急性胃腸炎などの症状があらわれます。工場排水やニッケルメッキからの溶出が汚染源として考えられます。目標値は、毒性を考慮して設定されています。

1,2-ジクロロエタン

1,2-ジクロロエタンは、塩化ビニルの原料として使われている有機化学物質です。以前は、地下水で検出事例が多くありましたが、近年、水道水からの検出事例がほとんどなくなりました。発がん性が疑われている物質であるため、目標値は、発がん性を考慮して設定されています。

トルエン

トルエンは、シンナー、接着剤、塗料の原料として多く使われている有機化学物質です。急性中毒として中枢神経系への影響、疲労、頭痛、めまいなど、慢性中毒として運動失調、平衡障害、言語障害などの症状があらわれます。発がん性の可能性は低く、目標値は毒性を考慮して設定されています。

フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)

フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)は、プラスチックに柔軟性を持たせるために使われている有機化学物質です。目標値は、毒性を考慮して設定されています。

亜塩素酸

亜塩素酸は、浄水処理において二酸化塩素を使用した場合に問題となる物質です。本市では、二酸化塩素を使用していないため、検査を省略します。

二酸化塩素

二酸化塩素は、浄水処理において消毒剤や酸化剤として使用される薬品です。二酸化塩素による処理は次亜塩素酸ナトリウムによる処理と比べるとトリハロメタンが生成されにくいという特徴があります。二酸化塩素は、化学的に不安定なガスで貯蔵が難しいことから、国内のほとんどの浄水場で使用されていません。また、二酸化塩素による消毒のみでは水道法で義務付けられている残留塩素の要件を満たすことができません。本市では、二酸化塩素を使用していないため、関係する項目の検査を省略します。

ジクロロアセトニトリル

ジクロロアセトニトリルは、トリハロメタンと同様、消毒用として入れる塩素と水に含まれる有機物が反応してできる物質です。毒性が高いとの報告があるため、目標値は、毒性を考慮して設定されています。

抱水クロラール

抱水クロラールは、トリハロメタンと同様、消毒用として入れる塩素と水に含まれる有機物が反応してできる物質です。毒性が高いとの報告があるため、目標値は、毒性を考慮して設定されています。

農薬類

殺虫剤や、除草剤など広い用途に多くの種類の農薬が使われています。市販されている薬剤には、何種類かの農薬が混合されたものもあります。厚生労働省では、国内の検出状況、使用量などを踏まえ、水質基準農薬類、対象農薬リスト掲載農薬類、要検討農薬類、その他農薬類、除外農薬類の5つに分類しています。水質管理目標設定項目としての農薬類については、総農薬方式という評価方法が採用されています。これは、ある農薬Aの検出値をAの目標値で割り算してAの評価値とし、この作業を検査する全ての農薬で行い、全ての評価値の合計(検出指標値)を目標値である1以下とするものです。本市では、散布時期に合わせて検査を行っており、必要に応じて活性炭処理という特別な浄水処理を行います。

残留塩素

残留塩素とは、水道水中の塩素の残量のことで、水道法により衛生上の措置としてすべての蛇口で塩素を0.1ミリグラム毎リットル*以上確保することが義務付けられています。水道水中の塩素は、水に溶けているものと反応したり、配水池等で空気中に蒸発したりするため、浄水場から蛇口に届くまでの時間が長くなるほど少なくなります。そのため、浄水場では、消毒の残留効果が蛇口まで十分に発揮されるように、塩素が減少する量を考慮して、塩素を入れています。しかしながら、残留塩素が多いと水道水にカルキ臭を与え、水道水の味を悪くします。目標値は、水道水をおいしく感じられる限度の濃度として設定されています。
*1ミリグラム毎リットルは水1リットル中にその物質が1,000分の1グラムあるということです。

カルシウム、マグネシウム等(硬度)(目標)

硬度の水質基準は、石鹸の洗浄効果を損なわないために300ミリグラム毎リットル*以下と定められています。さらに、硬度が高いとおいしく感じない人がいるため、おいしい水研究会が提言した硬度10~100ミリグラム毎リットル*が、目標値として設定されています。
*1ミリグラム毎リットルは水1リットル中にその物質が1,000分の1グラムあるということです。

マンガン及びその化合物(目標)

マンガンの水質基準は、水道水が黒色にならない量として設定されています。さらに、より質の高い水道水の供給を目指すため、基準値の1/5が目標値として設定されています。

遊離炭酸

水道水中の炭酸のことで、適度に含まれることにより、炭酸飲料のような清涼感を与えます。しかし、多量に含まれるとピリピリとした刺激を与えます。目標値は、水道水のおいしさを保つために設定されています。

1,1,1-トリクロロエタン

1,1,1-トリクロロエタンは、ドライクリーニング洗浄剤、金属の洗浄剤として使われる有機化学物質です。平成元年まで法令による規制がなかったため、1,1,1-トリクロロエタンを使っている工場やクリーニング店の敷地などから漏洩したものが地下に浸透したものと考えられ、地下水での検出事例があります。発がん性、毒性ともに高くありませんが、水道水に甘いにおいをつけます。目標値は、水道水ににおいがつかない量として設定されています。

メチル-t-ブチルエーテル

MTBEとも呼ばれ、ガソリンの添加剤や溶剤として使われる有機化学物質です。過去には、地下水から高濃度で検出された事例が報告されています。目標値は、味やにおいに影響を与えることを考慮して設定されています。

有機物(全有機炭素(TOC)の量)(目標)

有機物の量を表す方法には多くの種類があり、水質管理目標設定項目としての有機物は、過マンガン酸カリウム消費量が採用されていますが、全有機炭素(TOC)の量の方が、より有機物の量を正確に把握できるため、本市では、水質管理目標設定項目としての有機物を、全有機炭素(TOC)の量で測定しています。目標値は、過マンガン酸カリウム消費量と全有機炭素(TOC)の量の相関関係を考慮し、1.5ミリグラム毎リットル*としています。
*1ミリグラム毎リットルは水1リットル中にその物質が1,000分の1グラムあるということです。

臭気強度(TON)

臭気強度とは、においの強さを数値化したものです。水質基準項目や水質管理目標設定項目には、カビ臭やフェノール類など、においに関する項目が多くあります。

蒸発残留物(目標)

蒸発残留物は、水道水を蒸発させた後に残るミネラルなどの量のことで、カルシウムやマグネシウムなど水道水中に溶けているものが多いほど多くなります。目標値は、水道水をおいしく感じることができる量として設定されています。

濁度(目標)

濁度の水質基準は、肉眼で濁りを感じないことを考慮して定められていますが、より質の高い水道水の供給を目指すため、基準値の1/2が目標値として設定されています。

pH値(目標)

給水管の一部には、材質が鉄のものがあります。水道水が酸性になっていると、鉄が水道水中に溶け出しやすくなります。反対に、水道水を弱アルカリ性にすることにより、鉄を溶け出しにくくすることができます。目標値は、弱アルカリ性である値として設定されています。

腐食性(ランゲリア指数)

水道水の給・配水管に対する腐食性の度合いを、pH値等から算出して数値化したものがランゲリア指数です。目標値は、腐食防止の観点から、極力0に近づけるよう設定されています。

従属栄養細菌

従属栄養細菌とは、成育に有機物を必要とする細菌のことで、一般細菌同様ほとんどが無害な細菌です。比較的栄養分の少ない培地を用いて20℃で1週間培養し、培地に形成された集落数を計数します。水源の水の中には一般細菌より多く存在するため、浄水処理工程での細菌の除去性がより把握しやすくなります。また、給・配水過程で塩素が消失すると再増殖する性質があるため、水道水が清浄な状態にあるかをチェックすることができます。これらの特徴から、水質管理目標設定項目とされています。

1,1-ジクロロエチレン

1,1-ジクロロエチレンは、家庭用ラップ、食品包装用フィルム、樹脂の材料として使われている有機化学物質です。ドライクリーニングの洗浄剤や金属や半導体の洗浄剤として多く使われるトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタンが分解した物質の一つです。以前は、地下水で多くの検出事例がありましたが、近年、水道水からの検出事例がほとんどなくなりました。目標値は、発がん性を考慮して設定されています。

アルミニウム及びその化合物(目標)

水質基準値は、水道水が白色にならない量として設定されています。さらに、より高い水道水の供給を目指すため、基準値の1/2が目標値として設定されています。

ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)

ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)はフッ素樹脂や撥(はっ)水(すい)剤、泡消火剤の材料として使われていた有機化学物質です。環境中で分解されにくく、生物中で高い蓄積性を有するため、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律や特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律により規制されています。水道においても要検討項目として情報、知見の収集が行われてきましたが、近年の日本における検出状況と毒性評価を踏まえ、令和2年4月より水質管理目標設定項目に採用されました。目標値は毒性を考慮して設定されています。

その他の項目(15項目) 用語解説

クリプトスポリジウム、ジアルジア

クリプトスポリジウムとは、人や家畜などに寄生する微生物です。汚染された食物や飲料水などを摂取すると、腸に寄生して激しい下痢や腹痛を引き起こします。消毒用の塩素に対して極めて強い耐性があるため、水道水が汚染されることを防ぐためには、水源の状態に応じた適正な浄水処理が必要です。また、クリプトスポリジウムほど激しくないものの、似た症状を引き起こすものにジアルジアがあります。ジアルジアもクリプトスポリジウムほどではありませんが、消毒用の塩素に対する抵抗性が強い性質があります。

嫌気性芽胞菌

ヒトや温血動物の腸内細菌の一種であるウェルシュ菌の、芽胞型(きびしい環境に耐えて長時間生き残ることができる状態)のものをさします。水中に存在した場合、その水は糞便によって汚染されている可能性が高いことを意味します。大腸菌とともに、糞便由来で感染するクリプトスポリジウム等による水道原水の汚染のおそれを判断する指標菌とされています。

生物

取水口の上流部には、ダム貯水池から放流された水が流入しています。ダム貯水池では、主として春から夏にかけて様々なプランクトンが発生します。その中には、カビ臭等の着臭障害、着色障害、浄水処理障害(凝集沈澱不良、ろ過閉塞、ろ過池からの生物の漏出等)を引き起こすプランクトンが存在します。これらの障害発生を未然に防ぐために、プランクトンの種類や数を調査し、浄水処理の参考としています。

総窒素(T-N)

総窒素は、水に含まれる窒素の総量です。窒素は、生活排水や糞尿等の下水、肥料等に多く含まれており、水の汚染の程度を表す指標とされます。河川やダム貯水池からの放流水の汚染状況を確認するために、定期的に検査しています。窒素は、ダム貯水池等でプランクトンの栄養源となるため、多量にあるとプランクトンが大量に発生する原因となります。

総リン(T-P)

総リンは、水に含まれるリンの総量です。リンは窒素と同様、生活排水や糞尿等の下水、肥料等に多く含まれており、水の汚染の程度を表す指標とされます。河川やダム貯水池からの放流水の汚染状況を確認するために、定期的に検査しています。リンは、ダム貯水池等でプランクトンの栄養源となるため、多量にあるとプランクトンが大量に発生する原因となります。

化学的酸素要求量(COD)

化学的酸素要求量(COD)は、水に含まれる有機物の量を表す方法の一つです。有機物の量を表す方法には多くの種類がありますが、有機物の量を比較するためには同じ方法の値を比較する必要があります。水道では有機物の量として全有機炭素(TOC)の量を採用していますが、一般に湖沼の水に含まれる有機物の量はCODで表します。河川やダム貯水池からの放流水の汚染状況を確認するため、定期的に検査しています。

生物化学的酸素要求量(BOD)

生物化学的酸素要求量(BOD)は、水に含まれる有機物の量を表す方法の一つで、一般に河川の水に含まれる有機物の量はBODで表します。河川やダム貯水池からの放流水の汚染状況を確認するため、定期的に検査しています。

溶存酸素(DO)

溶存酸素(DO)は、水に溶けている酸素の量を表したものです。魚などは、水に溶けている酸素を取り込んで呼吸しています。溶存酸素は、汚染されるほど少なくなるため、河川の水の汚染の程度を表す指標となります。河川やダム貯水池からの放流水の汚染状況を確認するために、定期的に検査しています。

酸素飽和百分率

水に溶ける酸素の最大量は、水温が低いと多く、高いと少なくなり、水温によって理論的に決まります。この理論値と溶存酸素(DO)の比を%で表したものを酸素飽和百分率といいます。溶存酸素と同様に、河川やダム貯水池からの放流水の汚染状況を確認するために、定期的に検査しています。
酸素飽和百分率=(溶存酸素)/(理論値)×100

浮遊物質(SS)

浮遊物質(SS)は、水に含まれる濁り成分の重量を表したものです。河川やダム貯水池からの放流水の汚染状況を確認するために、定期的に検査しています。

紫外線吸収度(E260)

紫外線吸収度(E260)は、水に含まれる有機物の量を表す方法の一つです。波長260nmの紫外線を吸収する度合いで有機物の量を表し、特に、塩素と反応してトリハロメタンなどをつくる有機物の量を把握するために検査しています。

アンモニア態窒素

アンモニア態窒素は、水に含まれるアンモニアの量を表したものです。アンモニアは、生活排水に多く含まれています。アンモニアは塩素と反応するため、河川水中にアンモニアが多量にあると、水道水中の残留塩素を一定に保つことが困難になります。そのため、浄水処理の指標として検査しています。

アルカリ度

アルカリ度は、浄水場の急速ろ過処理で使う薬品の能力に、大きく影響を与えます。そのため、浄水処理の指標として検査しています。

電気伝導率

電気伝導率は、水に電流が流れやすいかどうかを数値化したものです。水に含まれる塩化物イオンやナトリウムイオンなどのイオン類の量が多いほど、電流が流れやすくなり、電気伝導率が高くなります。イオン類は生活排水や工場排水などに多く含まれるため、汚染の指標として使われます。


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